東京ディズニーリゾートはアトラクションやショー・パレードだけでなく、ショップやレストランにもそれぞれストーリーがあり、様々な仕掛けや演出でゲストを楽しませてくれます。
ですがそんな細かい設定が設けられているのはパーク内だけではありません。
パーク外にあるお土産ショップ「ボン・ヴォヤージュ」にもバックグラウンドストーリーがあり、それを裏付けるプロップスが数多く隠されています。
今回はそんなボン・ヴォヤージュの世界を存分に楽しめるような豆知識をまとめてご紹介していきます。
ボン・ヴォヤージュは東京ディズニーリゾートにあるお土産ショップです。
パーク外にあるため、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーに入園しなくてもディズニーのグッズを購入することが可能です。
JR舞浜駅から東京ディズニーランドへ向かう道の途中にあるため、立ち寄ったことがある方も多いのではないでしょうか。
広々とした店内ではカチューシャやポシェットといった身につけグッズをはじめ、お菓子やシーズングッズ、キッチン用品やアパレルなど多ジャンルの商品が販売されています。
そんなボン・ヴォヤージュには一体どのような物語が隠されているのでしょうか。
お店のあちらこちらに散りばめられたプロップスから紐解いてみましょう。
それでは早速本題です。
ボン・ヴォヤージュにまつわる豆知識をご紹介していきます。
まずはお店の名前についてご紹介します。
「ボン・ヴォヤージュ」はフランス語です。
直訳すると
Bon=良い
Voyage=旅
となり、つまりBon Voyageは「良い旅を」という意味を持つ言葉になります。
ボン・ヴォヤージュはこれからパークへ冒険に出かけるゲストたちを見送っているようです。
旅の始まりにふさわしいボン・ヴォヤージュ。
お店の外観を見てみると、巨大なスーツケースを模していることがわかります。
そのため、ゲストはまるで自分の身体が小さくなってしまったかのような体験をすることができます。
スーツケースの取っ手部分には、こんな可愛らしいタグがついています。
スーツケースの上部を見てみると、ふたつある鍵のうちひとつが開いてお店の出入り口になっていることが分かります。
それでは一体、スーツケースの鍵はどこにあるのでしょうか?
私も先日のディズニー公式ブログを読むまで知らなかったのですが、鍵は一見気づかない意外な場所にありました。
舞浜駅からボン・ヴォヤージュに向かう途中、道の左下を見てみると…
少し見えにくいですが、肉眼でもはっきり見えました!
鍵にはボン・ヴォヤージュの頭文字である「BV」の文字が書いてあります。
スーツケースの大きさからも想像できる通り、かなり大きな鍵でした。
スーツケースを模しているのはお店の外観だけではありません。
店内ももちろん、スーツケースの中を再現したようなデザインになっています。
荷物を固定するベルトがあったり、
天井はキルティング柄を彷彿とさせるクロス模様になっていたり、
こちらには小物を収納できるチャック付きポケットがあります。
ポケットに入っているのは手紙とボールペンです。
ボールペンの中には東京ディズニーリゾートを周遊するモノレール「ディズニーリゾートライン」の模型が入っています。
グッズ化して欲しいくらいおしゃれなデザインです…!
このように、店内ではいたるところでカバンらしい装飾を見ることができます。
皆さんもぜひスーツケースの中に入ってしまったような気分で、店内の装飾にも目を向けてみてくださいね。
店内の見どころはカバンらしさだけではありません。
他にも可愛らしい小物やキャラクターがたくさん隠されており、実はとっても見応えがあります。
お店の入り口でお出迎えしてくれるこちらの大きな時計。
荷物を持って旅に出かけるミッキーがデザインされています。
よく見ると文字盤の周りやチェーンにもミッキーのシルエットが描かれていますね。
ちなみにこちらは完全なオブジェであり、実際の時刻は表示されていません。
店内では、たくさんのキャラクターたちの姿を見ることができます。
中央のレジにいるのはカメラに乗ったミッキー、グーフィー、ドナルド。
こちらのカメラは1930年代〜1950年代に見られたスプリングカメラと呼ばれるものです。
スプリング(ばね)の部分を押さえているドナルドがとってもキュートです。
続いてはこちら。
お化粧中のミニーです。
鏡を見ながらリップを塗っているようです。
さらに、こんないたずらっ子の姿も。
メガネで遊んでいるチップとデールです。
足元にはメガネケースがありますので、おそらく勝手に出して遊んでいるようですね。
店内では他にもプルート、ヒューイ、ドゥーイ、ルーイ、ダンボの姿を見ることができますが、彼らについては別枠でご紹介していきます。
店内には、このようなものも置かれています。
戦いごっこで使いそうなカッコイイ剣です。
どれも凝ったデザインをしています。
さらに、レジの反対側にはこのようなものもあります。
おめかしごっこで使うのでしょうか?
たくさんの指輪があります。
こうしたおもちゃも、長い旅には必須グッズなのかもしれませんね。
店内では、エアメールや郵便物も見ることができます。
ダンボが鼻に乗せているのは大きな箱。
箱には「PAR AVION(航空便)」と書かれたステッカーが貼られており、世界を旅してきた荷物であることが分かります。
そしてこのステッカー、よく見ると少し剥がれかかっています。
芸が細かいですね。
他にもこのようなキャラクターの姿も。
プルートが貼り付く切手と格闘しています。
とてもお茶目で可愛いです!
店内では他にもキャラクターがデザインされた切手を多数確認することができますので、ぜひじっくり探してみてくださいね。
店内には様々なデザインの商品棚があります。
一見スルーしてしまうような商品棚も、よく見ると個性豊かな見た目をしています。
切手シートを剥がしたようなデザインだったり、
カバンを再利用したのか、取っ手がついていたり。
さらにこちらはプレゼントボックスを模したデザインになっています。
何気ない商品棚にも、しっかりと意味が込められているのです。
一見スルーしてしまいそうな商品棚ですが、訪れた際はぜひそんなところにも目を向けてみるとさらに楽しめるかもしれません。
東京ディズニーリゾートで最も安いお土産と言われているスーベニアメダル。
パーク外では、ディズニーリゾートラインの駅やディズニーホテルなどに設置されています。
そしてここボン・ヴォヤージュにも、3つのメダリオンメーカーがあります。
ひとつめはミッキーが描かれたメダリオンメーカーです。
シルバーを基調としたちょっとレトロな雰囲気のメダリオンメーカーですが、実はこちらは「航空」をイメージしたデザインになっています。
その証拠に、機械には複数箇所に「AIR LINES(航空会社)」と表記されています。
上部に描かれているミッキーも、パイロットのような服装をしていますね。
ちなみに、機械の下部には「M.M.1118」と書かれています。
こちらは「Mickey Mouse」のイニシャルと誕生日(11月18日)を表しているのです。
一風変わった隠れミッキーですね。
こちらのメダリオンメーカーは他にも隠れミッキーがありますので、ぜひ探してみてくださいね。
続いてはこちらの赤を基調としたメダリオンメーカー。
こちらに描かれているのはグーフィーです。
先ほどのミッキーのものは航空をイメージしていましたが、こちらのモチーフは「電車」です。
一見電車らしさはあまりないように思えますが、横から見てみると車輪用のスペースがしっかり確保されており、電車の先頭部分を模したデザインであることが分かります。
ヘッドライトや横線が描かれた模様からも、電車らしさを感じることができます。
そして最後のメダリオンメーカーは、ドナルドが描かれたこちら。
上記二点のレトロな雰囲気とはうって変わり、ポップで可愛らしいデザインです。
機械の上部には船の姿が描かれていることから、こちらのメダリオンメーカーのモチーフは「船」のようです。
機械のてっぺんには船の煙突のようなものがあり、ボディは船体のような素材で作られています。
上部に描かれているドナルドは水兵のようにセーラー服を身にまとい、帽子を被っています。
さらに、こちらのメダリオンメーカーを横から見てみると…
ミッキーがシルエットで描かれています。
実は反対側にも別のキャラクターが描かれているので、ぜひ現地で確認してみてくださいね。
こちらのメダリオンメーカーでは他にも隠れミッキーが描かれています。
3つのメダリオンメーカーの中で最も可愛らしい機種と言えるかもしれませんね。
さて、3つのメダリオンメーカーはそれぞれ航空・電車・船をモチーフにしていることが分かりました。
これらはすべて、世界的で活躍する乗り物です。
そんな乗り物をモチーフとして取り入れることによって、世界中を旅するスーツケース「ボン・ヴォヤージュ」の冒険らしさを最大限に引き出しているのかもしれませんね。
ちなみに、東京ディズニーランド内にあるお土産ショップ「トイ・ステーション」も航空・電車・船をモチーフにした内装になっているんですよ。
店内がとても見応えあるのでここまで長くなってしまいましたが、見所はそれだけではありません。
ここからはボン・ヴォヤージュの外側、東京ディズニーランド側の入り口付近にあるプロップスを中心にご紹介していきます。
まず見ていただきたいのがこちら。
ミッキーのパスポートです。
ということは、ボン・ヴォヤージュのスーツケースはミッキーのもののようですね!
パスポートの左側にはミッキーの情報が記載されています。
名前:ミッキー
生年月日:1928年11月18日
国籍:世界の市民
出身地:カルフォルニア バーバンク
ミッキーの国籍はアメリカかと思いきや、ここでは世界の市民であると書かれています。
パスポートの右側はビザページのようで、スタンプが押されています。
上から順に東京ディズニーランド、スペースマウンテン、アラビアンコースト、東京ディズニーシーです。
近くで見ると少しかすれている部分がありますが、これはスタンプらしさを演出しているのです。
相変わらず芸が細かいですね。
店内やパスポート付近のトンネルの天井には、キャラクターたちのレアな写真がたくさん貼られています。
切手風のデザインがとても可愛らしいですね。
目線の高さからは少々距離があるので肉眼では少し見えにくいですが、今回は一枚ずつ写真を撮ってきました。
1枚目は、かつて東京ディズニーランドのトゥーンタウンにあったアトラクション「グーフィーのはずむ家(※)」の様子が収められています。
※現在は「グーフィーのペイント&プレイハウス」というアトラクションに生まれ変わっています。
手前に写っているのは『くまのプーさん』のティガー。
はずむ家なので、ティガーも楽しそうに飛び跳ねています。
小さいですが、玄関先にはグーフィーの姿もあります。
続いてはジャングルクルーズに乗車中の一枚。
乗っているのは『101匹わんちゃん』に登場する悪役:クルエラです。
カメラで動物たちの写真を撮っていますね。
そして注目していただきたいのが、右側に置かれたショッピングバッグ。
値札のついた101匹わんちゃんのダルメシアやティガー、チェシャ猫などのぬいぐるみがたくさん入っています。
悪名高いことで有名なクルエラですが、こんな人間らしい表情を見せることもあるのですね。
カリブの海賊に乗っているのは、『ピーター・パン』に登場する海賊のフック船長とスミーです。
海賊つながりということでしょうか?
フック船長は剣が入ったショッピングバッグを持っており、スミーはプーさんのTシャツを着ています。
二人とも楽しそうな雰囲気です。
魅惑のチキルームの看板前で遊んでいるのは『アラジン』に登場するオウム:イアーゴと『ライオンキング』に登場するサイチョウ:ザズーです。
イアーゴの頭にはペンキの入ったバケツが…。
ペンキの足跡の先にいるのは、アトラクション内に登場するウイング・ワヒネ。
愉快な鳥たちが戯れて遊んでいる最中のようですね。
ピノキオの冒険旅行に乗っているのは『トイ・ストーリー』のウッディとバズ・ライトイヤーです。
ウッディはバズの頭の後ろでピースサインをしてツノを生やして遊んでいます(笑)
ユーモアがあって個人的に大好きな写真です。
こちらは唯一店内に飾ってある写真です。
アリスのティーパーティーに乗車中のドナルドとデイジーですが、ヒューイ・デューイ・ルーイによって落書きされてしまっています!
矢が頭を貫通していたり、口や鼻から何か出ていたり、何とも悲惨なことに…。
こちらは天井の写真と違って大きめですので、ぜひじっくり見てみてくださいね。
店内や外観、トンネルの天井には、ステッカーがたくさん貼られています。
インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮やスペース・マウンテンといったアトラクションのステッカーや、
アラビアンコーストやアドベンチャーランドなどのテーマポートのステッカーもあります。
他にもレストランのステッカーなどが貼ってあり、とても見応えがあります。
中にはこのようなものもあります。
ミッキー&フレンズがボン・ヴォヤージュに訪れたことを表しているようですね。
ステッカーはここではご紹介しきれないほどたくさんありますので、ぜひ現地でお気に入りを探してみてくださいね。
見逃しがちですが、店内の床にもデザインが施されています!
いよいよ最後の豆知識です。
冒頭でボン・ヴォヤージュはスーツケースを模しているとご紹介しましたが、東京ディズニーランド側からお店を見るとこのような外観をしています。
あれ?
全然スーツケースっぽくないですよね。
リボンがかけられた箱のような見た目をしており、まるでプレゼントボックスのようです。
これはおそらく、東京ディズニーランドで遊んで帰るゲストが旅の最後にお土産を買うためのお店でもあるということを表しているのではないでしょうか。
これから東京ディズニーランドへ向かうゲストへは冒険の旅立ちを、東京ディズニーランドから帰るゲストにはお土産を、そんな小さな想いが詰まっているのです。
見方によって意味が変わる、ディズニーらしい粋なこだわりとも言えますね。
ボン・ヴォヤージュにまつわる豆知識のご紹介でした。
パーク内に負けないくらいたくさんのこだわりが詰め込まれたボン・ヴォヤージュ。
細部までこだわり抜かれて作られたボン・ボヤージュの魅力はこちらの記事では伝え切れないほどです。
パークに入らなくてもインパ気分が味わえるようなとても素敵な空間ですので、舞浜に訪れた際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
それでは、行ってらっしゃい。
ボン・ヴォヤージュ!