こんにちは。
ディズニー大好き雨女のほのぷーです。
アトラクションやショー・パレードだけでなく、細やかなストーリーや演出でゲストを楽しませてくれる東京ディズニーリゾート。
知れば知るほど新たな発見があり、楽しみが尽きませんよね。
ですが、そんな細やかなこだわりが隠されているのはパーク内だけではありません。
今回は東京ディズニーシーに隣接するホテル「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」のロビーの天井にある8枚の絵に焦点を当てて考察してみました。
まじまじと見る方はあまりいらっしゃらないと思いますが、8枚の絵には東京ディズニーシーとのつながりも描かれており、とても見応えがあります。
少々マニアックな内容になりますが、豆知識やバックグラウンドストーリーがお好きな方であれば楽しんでいただけると思いますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。
東京ディズニーシー・ホテルミラコスタについて
東京ディズニーシー・ホテルミラコスタは、東京ディズニーリゾート初のパーク一体型ホテルとして2001年の東京ディズニーシーのグランドオープンと同時に開業しました。
ホテル内からはパークの様子を見ることができ、まるでパークの中に泊っているような特別な体験をすることができます。
ホテルのコンセプトはイタリアンクラシックで、一歩足を踏み入れれば上品で豪華な空間が広がっています。
特に大きな吹き抜けが広がるロビーでは、「冒険とイマジネーション海へ」という東京ディズニーシーのテーマにふさわしい大きなガリオン船の像や繊細で美しい天井画を見ることができます。
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ロビーの天井に描かれた8枚の絵
ミラコスタのロビーの天井に描かれた8枚の絵。
レアな隠れミッキーが多数隠されているということでも有名なのですが、今回は絵に隠された意味を考察してみました。
天井画はロビーフロアからはかなり距離があるため、じっくり見たことがある方は意外と少ないのではないでしょうか。
実は8枚の絵にはそれぞれ東京ディズニーシーのテーマポートと女神の姿が描かれているのです。
実はこちらに描かれている女神たちは、東京ディズニーシーの4周年記念イベントとして開催された「ドラマティック・ディズニーシー」のショー「ミニーのウィッシング・リング」にも登場したんですよ。
今回は天井絵画8枚全てを望遠レンズを使って撮影してきましたので、一枚ずつご紹介していきます。
▷▷隠れミッキーについてはこちらでご紹介しています。
①メディテレーニアンハーバー
まず始めにご紹介するのはメディテレーニアンハーバーを模したこちらの絵です。
メディテレーニアンハーバーは東京ディズニーシーの玄関口であり、20世紀初頭の南ヨーロッパの街並みを再現したテーマポートです。
女神について
まず中央の女神について考察していきたいのですが、その前にメディテレーニアンハーバーの概要をさらっとおさらいです。
メディテレーニアンハーバーは主に3つのエリアに分けることができます。
- イタリア北西部の港町をイメージしたポルト・パラディーゾ
- ヴェネツィアをイメージしたパラッツォ・カナル
- 大航海時代の要塞をイメージしたエクスプローラーズ・ランディング
同じテーマポートの中でも各エリアで流れている音楽や雰囲気が異なり、お散歩をしているだけでもとても楽しめますよね。
さて、中央の女神はロマンザという名前です。
女神は仮面を被っており、また中央下にも仮面が描かれています。
メディテレーニアンハーバーと仮面、一見共通点がないようにも見えますが、実はそうでもありません。
仮面をつけ身分を隠して行われる舞踏会=仮面舞踏会は、ヴェネツィアが発祥なのです。
ヴェネツィアをモデルにしているパラッツォ・カナルには仮面工房もあります。
つまり、こちらの女神はパラッツォ・カナルの文化を象徴していると言えるでしょう。
▷▷パラッツォ・カナルについて詳しくはこちらでご紹介しています。
描かれているもの
そして絵の背景に描かれている風景は言わずもがな、ポルト・パラディーゾです。
ミラコスタの建物が本物そっくりに描かれていますね。
そして、アトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」に似たゴンドラの姿も描かれています。
左下にある黒い棒は、ゴンドラを留め置くためのボラードというものです。
こちらの絵ではエクスプローラーズ・ランディング以外のふたつのエリアの様子が描かれているようですね。
②アメリカンウォーターフロント
続いては20世紀初頭のアメリカを舞台にしたアメリカンウォーターフロントを模したこちらの絵です。
赤と白のストライプ、自由の女神像のような姿の女神、立ち並ぶビル群からアメリカらしさをふんだんに盛り込んだ一枚になっています。
女神について
アメリカンウォーターフロント絵に描かれている女神の名前はリベルタス。
女神のモチーフになったものは、アメリカ・ニューヨークのシンボルである自由の女神像です。
誰もが知る有名な像ですね。
ローマ神話では自由の女神リーベルタースとして登場します。
自由の女神像はアメリカの独立100周年を記念してフランス人の募金によって贈呈され、1886年に完成しました。
本物の自由の女神像は右手にたいまつ、左手に銘板を持っているのですが、こちらの女神は右手にたいまつ、左手にS.S.コロンビア号を持っています。
ちょっとしたパロディのようにも見えますね。
右手のたいまつからは眩い光が放たれていますが、光線の数は13本です。
アメリカが独立するときの州の数が13だったことから、アメリカでは13という数字が随所で使われています。
国旗の縞模様が13本だったり、国章では描かれているオリーブや矢が13本だったりします。
さらに、女神の下には国鳥である鷲と平和の象徴であるオリーブが描かれています。
オリーブは国章にもあしらわれていますが、アメリカ独立戦争の初期にイギリスへ提出されたオリーブ枝請願に由来します。
女神の凛々しい表情からも、アメリカの平和と発展を願う強い意思を感じられますね。
描かれているもの
背景に描かれている内容ですが、左右で全く雰囲気の違う絵が描かれています。
左側にはアメリカンウォーターフロントに実在するニューヨークエリアの街並み、右側には高層ビルが建ち並んだビル群が描かれています。
アメリカンウォーターフロントの舞台は1912年。
この頃はシンガービル(1908年竣工)、メトロポリタン生命保険会社タワー(1909年竣工)などの高層ビルが次々と建設され、高層ビルが急成長していた時代でもあります。
左の街並みからビル群へと時代が変わっていく様子がよく描かれていますね。
③ポートディスカバリー
続いては時空を超えた未来のマリーナ、ポートディスカバリーです。
こちらの絵の題材になっているのは2016年までポートディスカバリーにあったアトラクション「ストームライダー」です。
現在ポートディスカバリーにあるアトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」は2017年に新しくオープンしたアトラクションのため、こちらの絵には登場していません。
女神について
中央の女神は白い服を身にまとい、大きな白い翼を持っているのが特徴です。
女神の名前はミネルヴァ。
右手には雷のようなステッキを持っており、ポートディスカバリーにふさわしい天候の女神のような風貌です。
ローマ神話には同名の女神が登場するのですが、彼女は知恵・戦争・芸術の女神とされているため同一かどうかは分かりませんでした。
右手で持っているのは雷。
右手に雷を持つ神と言えば、全知全能の神として有名なゼウスです。
ゼウスは宇宙や天候を司る天空神でもありますので、ミネルヴァも天空神なのかもしれません。
描かれているもの
背景に描かれているものはいずれもストームライダーに関係するものです。
左側に描かれているのはかつてストームライダーがあった気象コントロールセンター、ストームライダー、マンボウ型潜水艦のサンフィッシュ・サブです。
こちらはかつてのポートディスカバリーの姿が忠実に描かれていますね。
そして右側に描かれているのはやはりストームライダーと、アトラクション内で衝突寸前ですれ違う飛行船です。
懐かしく感じる方も多いのではないでしょうか?
背景には荒れ狂う海が描かれており、自然の脅威が感取できる一枚となっています。
④ロストリバーデルタ
続いては1930年代の中央アメリカのジャングルを舞台にしたロストリバーデルタです。
生い茂る緑の中で凛々しく立つ女神が描かれています。
女神について
ロストリバーデルタの女神はフェリシタス。
服装はロストリバーデルタの舞台でもある中央アメリカの民族衣装をモチーフにしています。
古代マヤの時代から女性が着ていたとされる貫頭衣:ウィピルと巻きスカートを身にまとっています。
首元に見える青い顔のようなものは首飾りでしょうか。
ユカタン・ベースキャンプ・グリルの骸骨の女性の話を思い出します。
▷▷ユカタン・ベースキャンプ・グリルの骸骨についてはこちらでご紹介しています。
そして、手に持っている槍は中央アメリカで使われていた石槍:ホルカンカです。
マヤ文明の時代に使われていたものですが、実際は個人戦が多く石槍で戦うことはあまりなかったそうです。
描かれているもの
背景に描かれているのはインディ・ジョーンズがある神殿、クリスタルスカル、大蛇です。
どれもアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」に登場するものたちですね。
クリスタルスカルの後ろにある円盤のようなものは古代アステカのモノリスで有名の太陽の石にも見えます。
大蛇は絵の下にも描かれているのですが、よく見ると羽毛がたくさん生えています。
こちらはクルルカンと呼ばれるマヤ文明の神様(※)です。
※アステカでいうケツァルコアトルと同じです。
ケツァルコアトルという名前の方が有名かもしれませんね。
実はクルルカンはインディ・ジョーンズのQライン(待ち列)でも見ることができます。
他にも神殿内の壁画やアトラクション内でも見ることができるので、ぜひ探してみてください。
そして左下に描かれているのはジャガーです。
ジャガーはマヤ文明において神聖な生き物として崇められていたそうですよ。
⑤アラビアンコースト
続いてはディズニー映画『アラジン』に登場するランプの魔神ジーニーが作ったアラビアンナイトの世界、アラビアンコーストです。
ジャスミンによく似た女神と豪華な建物が描かれています。
女神について
女神の名前はエキゾチカ。
彼女はジーニーと同様、魔法のランプから出てきた女神です。
凛々しく美しい表情、腹筋や透ける脚からは逞しさが感じられますね。
服装や身につけているものはジャスミンに酷似しています。
こちらはおそらくジャスミンをモデルにしたオリジナルの女神なのでしょう。
両手にはランタンのようなものを持っています。
そして足元にはふたつのランプが置いてあり、もくもくと煙を噴出しています。
描かれているもの
背景の左側に描かれているのはカスバ・フードコートの壁、右側に描かれているのはサルタンズ・オアシスのようです。
その奥には高い塔が連なった宮殿のようなものも見えます。
そして左側手前には大きな旗が掲げられた船も描かれています。
アラビアンコーストの港にもダウ船という船が停泊しています。
こちらの絵では船を描くことでアラビアンコーストが港に面した町であることを表現しているかのようです。
⑥マーメイドラグーン
続いてはディズニー映画『リトル・マーメイド』のその後のお話が舞台となったマーメイドラグーンです。
アリエルによく似た女神とキング・トリトン・キャッスルの様子が力強く描かれています。
女神について
女神の名前はマトゥータ。
アリエルによく似た赤髪の女神です。
左手には三叉の矛を持つトライデント。
リトル・マーメイドではトリトン王が持っていましたね。
ちなみにギリシア神話ではトリトンという海神が登場します。
トライデントはギリシア神話において水と大地を支配する能力を持つ武器であり、トリトンも有していたそうです。
描かれているもの
背景にはリトル・マーメイドを彷彿とさせるものがたくさん描かれています。
左側に描かれているのはマーメイドラグーンにもあるお城キング・トリトン・キャッスルです。
たくさんの魚たちと泡や水が流れる様子が描かれており、まるで海の中から空を見上げているかのような雰囲気です。
右側に描かれているのは沈没船や海藻。
こちらは深い海の底を表しているようですね。
そして女神の背後に描かれている謎の生き物は、ギリシア神話に登場する半馬半魚の海馬ヒッポカムポスではないでしょうか。
ヒッポカムポスは馬の上半身と魚の下半身を持ちます。
鰭状になったたてがみと水掻きがついた前脚を持つという特徴と一致しています。
ヒッポカムポスは海洋の全てを支配する最強の海神ポセイドンの戦車を牽った海馬であるとされることから、海の中を導いてくれるような存在として描かれているのかもしれません。
⑦ミステリアスアイランド
最後のテーマポートはミステリアスアイランド。
1873年の南太平洋に浮かぶ火山島が舞台です。
真っ赤な衣装に身を包んだ女神とミステリアスアイランドを象徴するものたちが描かれています。
女神について
女神の名前はヴェスタ。
炎のように真っ赤な衣装を身に纏い、右手には火、左手には光を持っています。
ローマ神話には同名の女神が登場します。
ヴェスタは火と竈(かまど)の神であり、竈は家々にあることから転じて家庭の女神ともされていました。
今でも活発な火山活動が起こっているプロメテウス火山にピッタリなイメージの神様ですね。
描かれているもの
背景にはプロメテウス火山、ノーチラス号、ノーチラスギフトに巨大なタコ、水晶など様々なものが描かれています。
いずれもミステリアスアイランドで実際に見ることができるものです。
左側に描かれているのはプロメテウス火山とネモ船長が作った潜水艦ノーチラス号。
プロメテウス火山は大きな噴煙を上げて噴火しています。
右側にはノーチラスギフト、波の中にはアトラクション「海底2万マイル」に登場する巨大なタコが描かれています。
海が大きく荒れている様子も見てとれますね。
そして女神の後ろにはたくさんの美しい水晶があります。
こちらはアトラクション「センター・オブ・ジ・アース」で訪れる水晶の洞窟で見られる水晶でしょうか。
地底世界にある水晶、荒れる海、噴火する火山、そして空。
自然の偉大さや不思議さなどを感じられる一枚です。
⑧謎の絵
最後にご紹介するのはこちらの絵です。
順番的には④ロストリバーデルタと⑤アラビアンコーストの間にあるのですが、8枚の中で唯一テーマポートをモデルにしていない絵だったため最後に回せていただきました。
描かれているのは大きな旗を持った女神と海を渡るガリオン船。
絵の位置的にこれから新しくできるテーマポートをイメージしているのか、はたまたガリオン船からエクスプローラーズ・ランディングをイメージしているのか等々考察していたのですが、東京ディズニーシー パーフェクトガイドブック2021P90にて答えが判明しました。
こちらの絵は“発見”の精神を描いたものだそうです。
テーマポートをイメージした絵の中にいきなり「精神」なんてものが登場してきたので、これは意外すぎる事実でした(笑)
中央に描かれているのは発見の精神を象徴する女神です。
美しい民族衣装のような衣装を見に纏い、頭にはターバンのようなものを被っています。
そして背景に描かれているのは3隻のガリオン船。
手前にはイルカたちの姿も見えます。
ガリオン船は大航海時代に活躍した船で、メディテレーニアンハーバーのエクスプローラーズ・ランディングにも「ルネサンス号」というガリオン船が停泊しています。
荒れ狂う海を突き進むガリオン船と、船を先導するように立っている女神。
未知の世界へ冒険に出かければその先に新しい発見があるのだ、そう教えてくれるような一枚ですね。
まとめ
ということで、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタの天井に描かれた8枚の絵について個人的に考察してみました。
どれもテーマポートごとの色がよく描かれていて面白かったです。
中には実在する神をモデルにしたような描写もあり、改めてディズニーの奥深さを感じられました。
肉眼で見るのは中々大変ですが、ミラコスタのロビーに訪れた際はぜひ天井を見上げてみてください。
それでは、よい冒険を!
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