細やかなストーリーや演出で私たちを楽しませてくれる東京ディズニーシー。
お土産ショップ一つひとつに至るまで細やかな物語が隠されており、そういった一面を探すのも楽しいですよね。
そんな細やかな演出の中から、今回はメディテレーニアンハーバーにあるお土産ショップ・フィガロズ・クロージアーの店内に貼ってあるポスターを紐解いていきたいと思います。
インテリアの一部として馴染んでいるため何気なく通り過ぎてしまいがちですが、実は超有名なオペラのポスターが飾られているのです。
一体どんな作品のポスターがあるのか、見ていきましょう。
フィガロズ・クロージアーについて
フィガロズ・クロージアーは東京ディズニーシーの玄関口であるメディテレーニアンハーバーにあるお土産ショップです。
身につけグッズや洋服、靴下やネクタイなど幅広いアパレル用品が販売されています。
「フィガロズ・クロージアー」という店名は、ロッシーニ作曲のオペラ『セビリアの理髪師』の主人公フィガロにちなんで名付けられました。
店内やショーウィンドウにはオペラや音楽にまつわるたくさんの小物が飾られており、まるでオペラを楽しむような優雅な気分でお買い物を楽しめます。
フィガロズ・クロージアーのポスター
店内にはさまざまなポスターや絵画が飾られています。
今回は中でもオペラのポスターに焦点を当てて、見ていきましょう。
蝶々夫人(Madama Butterfly)
着物の女性が目を引くこちらは、プッチーニ作曲の『蝶々夫人』です。
1904年ミラノ初演時のポスターと同じデザインとなっています。
長崎を舞台に没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンの恋愛模様を描いた悲劇で、日本が舞台ということもあり日本人にも馴染み易い作品のひとつとして扱われています。
特に第2幕のアリア「ある晴れた日に」はとても有名なので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
ラ・ボエーム(La Bohème)
つづいてもプッチーニ作曲のオペラ、『ラ・ボエーム』です。
舞台は1830年代、芸術の街パリ。
屋根裏部屋で暮らす貧乏なボヘミアン男子4人の青春模様を描いた作品です。
ちなみに、大ヒットミュージカル『レント』はこちらの作品を題材に、舞台をニューヨークに置き換えて描かれました。
トスカ(Tosca)
続いてご紹介する『トスカ』も、プッチーニ作曲のオペラです。
脱獄した友人を助けたことで死刑宣告されたカヴァラドッシを助けようと、恋人のトスカは警視総監スカルピアを殺害したものの、カヴァラドッシは処刑されてしまい、トスカも彼の後を追うという悲劇の物語です。
ポスターからもその切なさがうかがい知れますね。
マノン・レスコー(Manon Lescaut)
『マノン・レスコー』はアベ・プレヴォーの長編小説で、プッチーニらによってオペラ化されました。
18世紀のフランスとアメリカを舞台に、自由奔放な少女マノンと騎士デ・グリューの悲劇の愛が描かれています。
奪われた桶(La secchia rapita)
『奪われた桶』はアレッサンドロ・タッソーニによって出版された叙事詩で、ジュリオ・リコルディらによってオペラ化されています。
モデナ大聖堂の宝物庫に保管されている桶をめぐって起こったモデナとボローニャの争いを描いた模擬英雄的な叙事詩です。
ファルスタッフ(Falstaff)
続いては、シェイクスピアの喜劇『ウィンザーの陽気な女房たち』を原作に作られたジュゼッペ・ヴェルディ作曲の『ファルスタッフ』です。
騎士のファルスタッフは2人の女性に同じ文章のラブレターを贈りますが、怒った女性たちは結託してファルスタッフへの復習計画を立てるという物語。
『ファルスタッフ』はヴェルディが80代目前のときに制作した彼の最後のオペラであり、わずか2作しかない喜劇のひとつです。
イル・トロヴァトーレ(Il Trovatore)
続いてもヴェルディ作曲のオペラから、『イル・トロヴァトーレ』をご紹介します。
ルーナ伯爵は想いを寄せるレオノーラの気持ちがマンリーコに向いていることに腹を立てマンリーコを処刑しますが、その後に彼がずっと探していた実の弟であったことを知るという悲劇です。
三王の愛(L’amore dei tre re)
お次はイタリアの作曲家イタロ・モンテメッツィのオペラ『三王の愛』です。
「三王」というのは、善政を布いた盲目の王アルキバルド、息子のマンフレード、前王子アヴィートの3人のこと。
彼らがマンフレードの妻フィオーラをめぐって巻き起こす悲劇を描いた物語です。
アイーダ(Aida)
最後は、ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の超有名なオペラ『アイーダ』をご紹介します。
エジプト軍の指揮官ラダメスと敵国であるエチオピアの王女であるアイーダの許されざる恋を描いた恋愛悲劇です。
『アイーダ』は今もなお世界中で公演され続ける超有名なオペラであり、中でも第2幕第2場の「凱旋行進曲」は誰もが聞いたことがある名曲です。
場所は変わりますが、アメリカンウォーターフロントにあるレストラン:ニューヨーク・デリの壁には、このようなものが描かれています。
アメリカンウォーターフロントの舞台は20世紀初頭のニューヨーク。
『アイーダ』が時代、そして海を越えて愛されていることがわかりますね。
以上が、フィガロズ・クロージアーに飾られているオペラのポスターです。
フィガロズ・クロージアーの店内には他にも数々のスケッチや写真、楽譜などが展示されています。
こういった小物を見て回るのも楽しいので、お買い物に訪れた際はぜひ目を向けてみてくださいね。
おわりに
東京ディズニーシーのお土産ショップ:フィガロズ・クロージアーに飾られているオペラのポスターをご紹介しました。
飾られているポスターはすべて実在するオペラを題材にしたものという点が、世界観を大切にする東京ディズニーシーのこだわりを感じますね。
店内やショーウィンドウにはオペラや音楽を題材にしたさまざまなものが飾られており、とても見応えがあります。
フィガロズ・クロージアーに訪れた際は、ぜひポスターや小物にも注目してみてはいかがですか?
それでは、よい冒険を!
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