東京ディズニーシーのテーマポートのひとつであるメディテレーニアンハーバー。
パークに入って最初に通るエリアであるため、いわば東京ディズニーシーの玄関口とも言えます。
そんなメディテレーニアンハーバーは、ディズニー映画『ピノキオ』と深い関わりがあることをご存知ですか?
今回はメディテレーニアンハーバーとピノキオのつながりを感じられるプロップスに焦点を当ててご紹介していきます。
普段は何気なく通り過ぎてしまうようなマニアックなものばかりですので、豆知識やバックグラウンドストーリーがお好きな方に楽しんでいただけると思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
ピノキオについて
『ピノキオ』はイタリア・トスカーナ州出身の作家カルロ・コッローディの童話『ピノッキオの冒険』を元に作られ、1940年に公開されたディズニー映画です。
劇中で使われた曲「When You Wish Upon a Star(星に願いを)」は誰もが口ずさめる名曲として、映画公開から80年以上経った今も幅広い世代に親しまれています。
『ピノキオ』のストーリー
ピノキオはおもちゃ職人のゼペットが作った人形でした。
子供がいなかったゼペットは、ピノキオが自分の子供になるよう星に願いをかけました。
するとそこへブルー・フェアリーが現れ、「勇気を持ち、正直で優しい性格になれば人間になれる」という言葉と共にピノキオに生命を与えました。
そして一部始終を見ていたコオロギのジミニー・クリケットに良心役を与えました。
生命を得たピノキオは学校へ行こうとしますが、詐欺師のJ・ワシントン・ファウルフェローとその子分であるギデオンに騙され、ストロンボリ一座という人形一座や不思議な島プレジャー・アイランドへ連行されてしまいます。
それでもジミニーの協力の甲斐があり、なんとか脱出して家に帰ります。
しかし、家にゼペットの姿はありませんでした。
ゼペットはいつまでも帰ってこないピノキオを心配して探しに行った先で、クジラの王様モンストロに飲み込まれてしまっていたのです。
ピノキオとジミニーはすぐさま救出へ向かい、クジラのお腹の中でゼペットとの再会を果たしました。
そしてピノキオの発案でなんとかクジラから脱出することに成功しましたが、ピノキオはゼペットとジミニーを庇い息絶えてしまったのです。
悲しみに暮れる二人の前に現れたのはブルー・フェアリー。
命をかけて二人を救ったピノキオの勇気を讃え、ピノキオを本当の子供として生き返らせました。
※上記の内容はディズニー映画『ピノキオ』のストーリーです。
原作の「ピノッキオの冒険」は残酷なシーンがあったため、映画化の際に一部ストーリーの改変がなされました。
TDLの「ピノキオの冒険旅行」
『ピノキオ』がモチーフになったアトラクションと言えば、東京ディズニーランドのファンタジーランドにある「ピノキオの冒険旅行」です。
トロッコに乗りピノキオの物語を辿るアトラクションなのですが、比較的回転率がいいため混雑日であっても待ち時間が飛躍的に伸びることはありません。
ピノキオの冒険旅行は東京ディズニーランドの他にアナハイムとパリのディズニーにもあるアトラクションですが、その中でも最初にオープンしたのが東京ディズニーランド(1983年4月15日)でした。
ディズニーリゾートにおけるピノキオの原点とも言えるかもしれませんね。
メディテレーニアンハーバーとピノキオ
さて、ピノキオの冒険旅行がある東京ディズニーランドではなく、なぜ東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーとつながりがあるのでしょうか。
ここからは、その理由と共にピノキオにまつわる豆知識をご紹介していきます。
メディテレーニアンハーバーの時代背景
メディテレーニアンハーバーは20世紀初頭の地中海に面した南ヨーロッパの港町をイメージしたテーマポートです。
大きく広がるハーバーを中心におしゃれな建物が立ち並び、どこを切り取っても映えるおしゃれなエリアですよね。
そんなメディテレーニアンハーバーの建造には、モデルとしてイタリアの街並みが取り入れられています。
一方でピノキオの原作「ピノッキオの冒険」の作者であるカルロ・コッローディはイタリアのトスカーナ州出身であり、物語の舞台もイタリアとなっています。
つまり、メディテレーニアンハーバーはピノキオたちが生活しているエリアと合致しているのです。
メディテレーニアンハーバーでピノキオにまつわるプロップスが見られるのは、テーマポートの背景と作品がリンクしているからなのです。
パーク内で見られるピノキオとのつながり
それでは、メディテレーニアンハーバーで見られるピノキオにまつわるプロップスや豆知識についてご紹介していきます。
ピノキオたちに会えるのはメディテレーニアンハーバーだけ
『ピノキオ』に登場するキャラクターたちは、東京ディズニーシーで行われているフリーグリーティング(※)で会うことができます。
※キャラクターがゲリラ的に現れ、整列なしで行われるグリーティングのこと。
写真はザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ付近で出会ったファウルフェローとの一枚です。
背がとっても高いです(私は168cmです)
東京ディズニーシーで会える『ピノキオ』のキャラクターはこちら。
・ピノキオ
・ゼペット
・ジミニー・クリケット
・ファウルフェロー
・ギデオン
意外とたくさんのキャラクターがグリーティングに登場しています!
中でもピノキオは、クリスマスシーズンには赤いマフラーをして登場してくれますよ。
フリーグリーティングは実施される場所や時間が定められておらずランダムに行われているのですが、ピノキオたちが現れるのはメディテレーニアンハーバーだけです。
さらに言えば、ハーバー前のポルト・パラディーゾエリアでしか会うことができません。
ポルト・パラディーゾでは高確率で登場しているので、ピノキオたちに会いたい方はぜひポルト・パラディーゾ周辺で探してみてください。
ジミニー・クリケット通り
メディテレーニアンハーバーではキャラクターの名前が付けられた道があることをご存知ですか?
道の近くには名前が書かれた標識が掲げられているにも関わらず、ほとんどのゲストがその存在に気づきません。
なぜなら、標識に書かれている文字は全てイタリア語だからです。
「ミニー通り」や「ドナルド通り」といった道があるのですが、その中に「ジミニー・クリケット通り」という道があります。
そう、『ピノキオ』に登場するジミニーのことです。
ジミニー・クリケット通りがあるのはハーバーに向かって左側、お土産ショップ「フィガロズ・クロージアー」と「マーチャント・オブ・ヴェニス・コンフィクション」の間です。
※以前パークで配布していたガイドマップより
かなり狭い道で照明もあまり明るくないため、存在感は薄めです。
近くにはこのような標識があります。
VIA=道
GRILLO=クリケット
SAGGIO=賢い
賢いクリケット=ジミニー・クリケットということのようですね。
『ピノキオ』関連で道の名前に取り入れられているのはジミニーだけです。
ぜひ探検気分で訪れてみては?
ちなみに他の道についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はぜひこちらもあわせてご覧くださいませ。
ストロンボリ号
メディテレーニアンハーバーの中央に大きく広がるハーバー。
ハーバーには複数の船が停泊していますが、実はその中にピノキオにまつわる名前が付けられたものが存在します。
それがこちらのミッキー広場のアメリカンウォーターフロント側に停泊している小さなボートです。
白い船体に水色のラインが目印です。
船体には「STROMBOLI」と記載されています。
そう、ピノキオに登場するストロンボリ一座の親方ストロンボリにちなんでこの名前が付けられているのです。
また、イタリアにある「ストロンボリ島」という火山島にもかけられているそうです。
知らなければスルーしてしまうような小さなこだわりですが、ピノキオとの関連を感じられるプロップスのひとつです。
Sin hilos
東京ディズニーシーには7つのテーマポートがありますが、それぞれコンセプトや雰囲気が異なり、同じパーク内でも世界旅行をしているような体験をすることができますよね。
テーマポートの雰囲気を造り上げる要素としてはアトラクション、建造物や装飾、キャストさんのコスチュームや挨拶など様々なものがありますが、その中のひとつとしてBGMが挙げられます。
東京ディズニーリゾートでは心地よいBGMが流れていますが、実は各エリアごとに流れている音楽が異なります。
例えばディズニー映画『アラジン』を舞台にしたアラビアンコーストでは映画の劇中音楽が使われていたり、中央アメリカのジャングルを舞台にしたロストリバーデルタでは虫の鳴き声や太鼓の音が聞こえたりします。
このように、BGMは各エリアの背景に合わせた音楽でその場の雰囲気を盛り上げる役割を担っているのです。
メディテレーニアンハーバーのポルト・パラディーゾエリアでは明るめのイタリアンミュージックが流れているのですが、その中に「Sin hilos」という楽曲があります。
実はこちらの楽曲は『ピノキオ』の劇中歌であり、ストロンボリ一座でピノキオも歌っていた曲です。
ポルト・パラディーゾエリアのBGMはヨーロッパの民謡をアレンジした楽曲が多く、ディズニー映画の楽曲は数曲しか使われていません。
このことからも、ピノキオとメディテレーニアンハーバーは意図的にリンクさせていることが分かりますね。
パーク外にある驚きのメッセージ
さて、最後にご紹介するのはパーク外にあるプロップスについてです。
冒頭でメディテレーニアンハーバーの舞台は南ヨーロッパの港町だとお話しましたが、実はピノキオの舞台になった町トスカーナをモデルにしている場所があります。
それがメインエントランス周辺。
東京ディズニーシーの中にあるディズニーシー・ホテルミラコスタのエントランス側はトスカーナをイメージした建築様式が用いられています。
ミラコスタに宿泊したことがある方はご存知かもしれませんが、ミラコスタのエントランス向きにある客室は「トスカーナ・サイド」と名付けられています。
そんなトスカーナエリアのメインエントランス・ノース側に、このような窓があります。
窓の近くにある標識を読んでみると…
QVI E VISSVTO
CARLO COLLODI
E PINOCCHIO
ピノキオとカルロ・コッローディがここで暮らした
なんと、この場所はピノキオと作者のカルロ・コッローディが暮らした思い出の場所だったのです!
(もちろん設定上ですよ。笑)
ほとんどの人が気づかないであろう小さな仕掛けですが、東京ディズニーシーに訪れた際はぜひこちらの窓も探してみてくださいね。
まとめ
メディテレーニアンハーバーとピノキオのつながりにまつわるお話のご紹介でした。
一見気づかないような小さなものばかりですが、メディテレーニアンハーバーはピノキオの世界観を感じられるスポットでもあるのです。
皆さんもメディテレーニアンハーバーに訪れた際はぜひピノキオのことも思い出してみてくださいね。
それでは、良い冒険を!
【おすすめ記事】