こんにちは。
ディズニー大好き雨女のほのぷーです。
様々なアトラクションやエンターテイメントで私たちを楽しませてくれる東京ディズニーリゾート。
ですが、パークの楽しみはそれだけではありません。
一見気づかないような風景や街並みの細やかなところにも物語があり、それを裏付けるプロップスによってより深いストーリー性を演出しているのです。
今回はそんな細かすぎるプロップスの中から、東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロントにある音楽用品店のショーウィンドウに焦点を当てていきます。
本物にこだわるディズニーだからこその展示物、誰も気がつかないであろう小さな変化など、細かすぎるトリビアをご紹介していきます。
少々マニアックな内容になってしまいますが、豆知識やバックグラウンドストーリーがお好きな方はぜひお付き合いくださいませ。
アメリカンウォーターフロントについて
アメリカンウォーターフロントは東京ディズニーシーの左側に広がるテーマポートです。
舞台は20世紀初頭のアメリカ。
風景やBGM、建物や文化など様々な面から当時の空気感を体感できるスポットです。
アメリカンウォーターフロントは大きく3つのエリアに分けることができます。
- ニューヨークの街並みを再現したニューヨークエリア
- のどかな田舎の港町であるケープコッド
- 移動式遊園地があるトイビル・トロリーパーク
中でも今回はニューヨークエリアのとあるショーウィンドウに隠された豆知識をご紹介していきます。
当時の音楽事情がわかる?ショーウィンドウ
ニューヨークエリアはアメリカンウォーターフロントの中でも一際賑やかなエリアです。
ニューヨークエリアにはメインストリートがふたつあります。
芸術の聖地であるブロードウェイと親しみやすさ溢れる旧市街のウォーターストリートです。
※以前パークで配布していたマップより
横並びに並走するストリートですが、それぞれ建物の外装や街灯などのインフラ設備が異なります。
同じエリア内でも全く異なる雰囲気を味わうことができるので、ニューヨークエリアに訪れた際はぜひそういった空気感の違いにも目を向けてみてくださいね。
さて、今回ご紹介するのはブロードウェイに面したこちらのショーウィンドウです。
お土産屋マクダックス・デパートメントストアの一部になっているのですが、ショーウィンドウの手前には立ち入り不可の階段があるためじっくり見たことがある方は少ないのではないでしょうか?
こちらの建物はH.P.メルマンズ・タワー・オブ・タレントという名前で、その名の通りタレントや芸能関係のテナントが軒を連ねています。
そして一階にあるのがトゥーティーズ・ミュージックストアという楽器や楽譜を扱うお店。
ショーウィンドウはこちらのお店で販売している用品が展示されているようです。
日によって違う?複数の楽譜たち
右側のショーウィンドウには蓄音機や楽譜、シリンダーレコードなどが展示してあります。
中でも複数置かれている薄い本のようなものは楽譜です。
しかも全て当時実在したものです。
IT’S THE PRETTY THINGS YOU SAY
中央に置かれたカラフルなこちらは1908年に発売された楽譜です。
アメリカンウォーターフロントは20世紀初頭を舞台にしていますが、正確には1912年であるとされています。
実際に実在したものであるというだけでなく、年代的にも矛盾がないようになっているのですね。
SWEET ITALIAN LOVE
ショーウィンドウの左側にあるのは1910年に発売された楽譜です。
表紙の男性は楽譜を書いたアーヴィング・バーリン。
こちらもアメリカンウォーターフロントの年代にピッタリですね。
Oceana Roll
続いてこちらは唯一左側のショーウィンドウにある楽譜です。
1911年に発売されたものなので、つい最近出たばかりの楽譜ということになりますね。
MY HEART’S WAY OUT IN CALIFORNIA
右側のショーウィンドウの右端に飾ってある楽譜です。
しかしこちらは1914年に発売されたものであり、アメリカンウォーターフロントの舞台とは2年の誤差があります。
未来の楽譜が飾ってあるということになってしまいますが、そこはご愛嬌ということなのでしょうか。
MUSETTE SONG
ここまで4つの楽譜をご紹介してきましたが、実はこれらの楽譜は日によって展示されている場所が違う場合があるのです。
こちらは別日に撮影した写真なのですが、ITS THE PRETTY THINGS YOU SAYがあった場所にMUSETTE SONGという楽譜が置かれています。
こちらも1907年に発売された楽譜です。
店主はその時々のおすすめ商品をショーウィンドウに並べているようですね。
一見気づかないような細やかな変化ですが、人々の生活を忠実に再現するというディズニーらしいこだわりのひとつなのでしょうね。
3機の蓄音機
右側のショーウィンドウで最も目を引くのはなんといっても3つの大きな蓄音機。
実はこれらも実在していたものなのです。
レコードの音を再生する装置で、かの有名な発明家トーマス・エジソンが発明した。
針の振動を電気信号に変換することで再生する仕組み。
音楽は配信やストリーミングで楽しむ現代人にはあまり馴染みがない蓄音機ですが、当時は音楽を楽しむために欠かせないアイテムでした。
東京ディズニーシーでは同じくアメリカンウォーターフロントにあるアトラクションタワー・オブ・テラーのプレショーの部屋でも見ることができます。
エジソンホーム蓄音機
まずは中央に置かれたこちらの蓄音機から見ていきましょう。
本体中央にEDISON HOME PHONOGRAPHと書かれています。
その名の通り家庭用の蓄音機で、1900年代に実際に販売されていました。
展示してあるものは1903年に発売されたModel Aタイプのようですが、ホーンの形は現物とは異なります。
店主のこだわりでラッパ型の大きなホーンに改造したのでしょうか?
ビクタートーキングマシンの蓄音機
ショーウィンドウの両端にある2機の蓄音機は同じメーカーのものです。
こちらは蓄音機と犬のロゴでお馴染みのビクタートーキングマシン製の蓄音機。
とても見えにくいのですが、本体にはロゴのプレートが貼られています。
そしてプレートには小さな文字で「His Master's Voice」と書かれています。
犬の名前はニッパー。
飼い主が亡くなった後、蓄音機から流れる主人の声を懐かしそうに聞き入っている姿を描いたものがロゴのきっかけになりました。
His Master's Voiceは「(亡くなった)主人の声(を聞いている)」という意味なのですね。
ちなみに、CDショップとして有名なHMVはHis Master's Voiceの頭文字から名付けられています。
プロップスは他にもたくさん
ショーウィンドウには他にも様々なプロップスがあります。
まずこちらの小さな筒状の箱ですが、こちらはシリンダーレコードという記録媒体です。
1890年代から1910年代にかけて発達し、円盤状のレコードが普及するまで使われていました。
BLUE AMBEROL RECORDはエジソンが設立したThomas A. Edison、Inc.製のもので、1912年に製造されていたモデルです。
アメリカンウォーターフロントの舞台とも合致していますね。
こちらはハープとフルートです。
奥には譜面台に広げられた楽譜も見えます。
そしてショーウィンドウの壁にはバッハやモーツァルト、ベートーヴェンといった有名な音楽家の肖像画が飾られています。
ショーウィンドウのプロップスはどれも1912年当時のニューヨークを彷彿とさせるものばかり。
ぜひご自身の目で確かめて、デジタル化された現代とは違う音楽の温もりや味わいを感じてみてくださいね。
まとめ
アメリカンウォーターフロントのショーウィンドウに隠された音楽にまつわるプロップスのご紹介でした。
ほとんどの人がスルーしてしまうような場所にあるショーウィンドウですが、実はこんなにも深いストーリーと本物にこだわるディズニーらしさが詰まった素敵な空間が広がっています。
アメリカンウォーターフロントに訪れた際は、ぜひこちらのショーウィンドウにも注目してみてくださいね。
もしかしたらまた違う楽譜が置かれているかも…?
それでは、よい冒険を!
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