こんにちは。
ディズニー大好き雨女のほのぷーです。
東京ディズニーシーのアトラクションは多岐に渡ります。
絶叫系からウォークスルー系、シアター系にゆったり系まで網羅しており、老若男女問わず楽しむことができます。
中でも便利なのがテーマポートとテーマポートを結ぶ移動系アトラクション。
体力を温存しつつ景色を楽しみながら移動することができるため、疲れたときに利用する方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな移動系アトラクションの中から、アメリカンウォーターフロントとポートディスカバリーをつなぐ電車ディズニーシー・エレクトリックレールウェイにまつわるお話をご紹介していきます。
エレクトリックレールウェイを単なる移動手段と思ったら大間違い。
エレクトリックレールウェイには、知ればきっと誰かに教えたくなるようなトリビアがたくさん隠されています。
インパの際の話題作りにもきっと役立つはずです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイについて
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイは東京ディズニーシーのテーマポートアメリカンウォーターフロントとポートディスカバリーを結ぶ高架鉄道型アトラクションです。
所要時間:約2分30秒
定員:42名
最高速度:15km/h
アメリカンウォーターフロントは20世紀初頭のアメリカ、ポートディスカバリーは時空を越えた未来のマリーナと全く異なる時代をテーマにしたテーマポートです。
エレクトリックレールウェイではそんなふたつのテーマポートを股に掛け、変わりゆく景色を楽しみながら旅をすることができます。
バリアフリーも完備しており、ベビーカーや車椅子のゲストも安心して利用することができるのも嬉しいポイントです。
鉄オタも楽しめる!?列車の仕様
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイは電気で走る電車です。
ですが、日本の電車において散見される架線柱やパンタグラフはありません。
では一体どのような方法で電力を供給しているのかというと、2本のレールの外側にある給電用レールに車体に取り付けた集電靴で擦ることで集電しているのです。
この方法は第三軌条方式(サードレール方式)といい、日本では東京メトロ銀座線や丸の内線などで採用されています。
第三軌条は建設コストが比較的低く、架線柱や架線を伴わないため景観を損なわないという利点がある一方、感電のリスクが高いことや摺動騒音が生じるといったデメリットがあります。
エレクトリックレールウェイでは、アメリカンウォーターフロント駅付近のカーブ部分できしみ音がすることがあります。
カーブ部分の高架下を見てみると不自然な水溜りができていることがありますが、これはきしみ音を軽減するための散水装置から放水された水なのです。
エレクトリックレールウェイは乗り物としてだけでなく、「電車」としても楽しめるアトラクションと言えるかもしれませんね。
おすすめな楽しみ方
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイの座席は両サイドの窓に向かって並んでいます。
アメリカンウォーターフロント駅で乗車する際は奥側に座るとパーク側、手前側に座ると海側に、ポートディスカバリー駅で乗車する際は手前側に座るとパーク側、奥側に座ると海側の景色を見ることができます。
パーク側と海側で景色が全く異なり、賑やかな街の雰囲気を楽しみたいならパーク側、穏やかな風景を楽しみたいなら海側がおすすめです。
いつも同じ方向に乗るという方はぜひ反対側にも乗ってみては?
今までとは全く景色が見られるかもしれませんよ。
ちなみに、エレクトリックレールウェイの下には従業員用のバックステージの通路が通っており、車内からもその姿を見ることができます。
現実味を含む内容のためここでは割愛させていただきますが、ご興味のある方はこちらもご覧くださいませ。
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイの豆知識
見方によって全く違う姿を見せるディズニーシー・エレクトリックレールウェイ。
ここからはアトラクションに隠されたストーリーや豆知識をご紹介していきます。
バックグラウンドストーリー
アトラクションごとに細かくストーリーがあるのがディズニーのこだわりのひとつ。
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイには一体どのような物語が隠されているのでしょうか?
舞台はアメリカンウォーターフロント。
ここは20世紀初頭、様々な分野で急成長を遂げる躍進の一過にあるアメリカです。
この頃はトロリーと呼ばれるセミオープン型の小型列車が走る路面鉄道が主流でしたが、自動車の普及に伴い交通渋滞が問題になっていました。
そこで鉄道会社は路面電車から高架鉄道や地下鉄へ移行することに。
それまでトロリーとして利用していた車両を改造して高架列車を建設しました。
すると不思議なことに、場所だけでなく時空をも越える特別な鉄道が誕生したのです。
さらに地下鉄が建設され、路面電車は次第に衰退していきました。
アメリカンウォーターフロントのニューヨークエリアでは路面にレールが埋まっている姿が見られますが、これはかつてこの場所を通っていた路面電車の名残なのです。
そして路面電車のレールを辿っていくと人気アトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」があるトイビル・トロリーパークへとたどり着きます。
ここはトロリーを所有するトイビル・トロリー・カンパニーが建設した遊園地。
路面電車の廃止に伴い様々な事業が目まぐるしく変化していった様子がうかがえますね。
▷▷アメリカンウォーターフロントの地下鉄についてはこちらでご紹介しています。
▷▷路面電車とトイビル・トロリーパークについてはこちらでご紹介しています。
アメリカンウォーターフロントはまさに変革の真っ只中。
エレクトリックレールウェイはそんな変化の最中に誕生した乗り物だったのです。
変わりゆく時代を身をもって体感できるのは貴重ですね。
列車のスタイルと時代背景
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイの車両のスタイルは、20世紀初頭のアメリカの文化を反映しています。
そのため、今の列車ほど快適ではないポイントも存在します。
ここではそんなアトラクションの「ちょっと煩わしい部分」についてご紹介していきます。
エアコンがない
エレクトリックレールウェイにはエアコンがありません。
夏は暑いですし、冬は寒いです。
せっかくの移動で体力を温存しようと思っても、真夏や真冬は期待するほどの快適さは感じられないかもしれません。
しかし、これも時代背景に合わせたこだわりのひとつ。
当時の列車を再現するために、あえてエアコンを設置していないのです。
走行音がうるさい?
2つめは列車の走行音について。
エレクトリックレールウェイはガタンゴトンというレールの音やきしみ音など様々な音が聞こえます。
今の技術ではもう少し消音化できるところですが、こちらも当時の雰囲気を再現するためにあえて音が大きく出るよう工夫されているのです。
中でも特に気になるのがニューヨークエリアの高架下。
お土産屋「スチームボート・ミッキーズ」があるウォーターストリートや軽食ワゴン「デランシー・ケータリング」があるデランシーストリートでは、ガタンゴトンという列車の走行音がとても大きく聞こえます。
もちろんこれも当時を再現しているため。
高架下ではあえて走行音を響かせることで、発展の最中にあるアメリカを表現しています。
鉄道事業法とTDR
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイはアメリカンウォーターフロント駅とポートディスカバリー駅を結ぶ2点間輸送です。
一方でお隣東京ディズニーランドにある列車型アトラクションウエスタンリバー鉄道は途中乗降ができない環状運転になっています。
「列車で旅をする」というコンセプトは同じにも関わらず、全く異なる運転スタイルになったのには訳があります。
というのも、東京ディズニーランド建設当時、日本では鉄道事業法に基づき鉄道の運用には厳しい制限がありました。
途中乗降を可能にするには運賃が必要になったり、運転手に鉄道事業の免許が求められたりしました。
設計当初はアナハイムのディズニーランドを走るディズニーランド鉄道のように途中で自由に乗り降りができる列車をイメージしていたのですが、このような背景があったため止むを得ず環状運転になったのです。
しかしその後鉄道事業法は改正され、東京ディズニーシーの建設時には2点間輸送が可能になりました。
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイはそうした背景の中で誕生した待望の「移動ができる列車」なのです。
4つの車体
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイは2両編成で、予備を含め車体は全部で4つ(8両)あります。
閑散時には2本、混雑時には4本といった形で混雑具合によって運用本数が前後します。
実は4つの車体を見分けることができるのですが、カラーリングが異なるウエスタンリバー鉄道と違い、エレクトリックレールウェイは全て同じデザインのため見分けがつきにくいです。
そんなエレクトリックレールウェイの車体を見分ける方法は車体に記された車両番号です。
車体番号は5591+1111、1022+2842、1783+5593、0214+4824の4つの組み合わせがあり、それぞれ末尾が1、2、3、4となっています。
通りかかった際は車体を見分けてみては?
雰囲気の異なる2つの駅
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイの停車駅アメリカンウォーターフロント駅とポートディスカバリー駅。
それぞれテーマポートが異なるため、駅舎や構内の雰囲気が全く異なります。
アメリカンウォーターフロント駅
アメリカンウォーターフロント駅はブロードウェイ・ミュージックシアター程近く、デランシーストリートに面しています。
温かみを感じる赤いレンガの建物が目印です。
建物にはたくさんのポスターが掲示してあり、当時の流行や文化を垣間見ることができます。
レトロで可愛らしいものばかりですので、お気に入りのものを探してみるのも楽しいかもしれません。
▷▷駅舎のポスターについてはこちらで解説しています。
また、1階には駅長室(RAILWAY MANAGER)、2階には駅員室(STATION MASTER)もあります。
中に入ることはできませんが、駅としての機能の側面を見ることができるスポットです。
中でも駅長室のドアを見てみると…。
「GONE TO LUNCH(ランチに行っています)」の札がかかっています。
私たちの見えないところで生活を営んでいる姿が想像できてワクワクしますね。
さらに駅長室の近くには、エレクトリックレールウェイの行き先であるポートディスカバリーを描いた大きな絵があります。
というのも、ポートディスカバリーはアメリカンウォーターフロントの人々が願った理想の未来、つまりレトロフューチャーなのです。
この時代の人々が願いを込めた未来への旅ができると思うと、エレクトリックレールウェイでの旅がより一層深く感じられますね。
ポートディスカバリー駅
ポートディスカバリー駅はホライズンベイ・レストラン付近にある階段を登った丘の上にあります。
アメリカンウォーターフロント駅とは打って変わり、無機質でスタイリッシュなデザインです。
目を引くのはなんと言っても構内の左右の壁に飾られた2枚の大きな壁画。
こちらは20世紀初頭のアメリカの人々が想像した未来都市の様子を描いたものです。
見たことのない形をした乗り物が陸海空の垣根を越えて共存しています。
中には隠れミッキーもたくさん隠されています。
丸3つのシンプルなものからミッキーの横顔がシルエットになっているものまで、左右合わせて延べ10個以上隠れています。
待ち時間にぜひ探してみてくださいね。
全く異なるコンセプトの2駅をつなぐ特別な電車ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ。
乗車する際は雰囲気の違いや変化していく街並みにも目を向けてみては?
まとめ
ディズニーシー・エレクトリックレールウェイにまつわる豆知識のご紹介でした。
乗り物としてはもちろん、鉄道としての魅力やストーリーや背景の作り込みなど様々な視点で楽しめるアトラクションでしたね。
特に当時の時代背景を再現するためのこだわりは抜群です。
乗車する際はぜひその世界観にどっぷりと浸かりながら、タイムスリップを楽しんでみては?
それでは、よい冒険を!
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